コレクション
MuseumCollection
Bauchant, André
アンドレ・ボーシャン
1873-1958フランスのアンドレ・エ・ロワール県シャトールノー生まれ。
庭師の息子として生まれたボーシャンは、1887年から小学校に通う傍ら庭師の修業をしていた。第一次世界大戦に従軍し、ダーダネルス海峡地方を訪れた際、土地の測量技師を務めていた彼は、司令部付きの製図家として採用される。
製図の見事さに感心した上官のすすめでデッサンを始め、1917年、44歳にして初めて油絵を手がけた。戦後まもなく苗種栽培業をやめて画家に転向、1921年にはサロン・ドートンヌに出品。ル・コルビュジェとオザンファンに認められ、1928年ディアギレフのバレエ『ミューズを導くアポロン』の舞台装置と衣装を担当して大好評を博した。こうしてボーシャンの芸術家としての生活が始まった。
1952年、ロワール地方のモントワールを永住の地と定め、数多くの素晴らしい作品を残し、栄光に包まれた生涯を送った。
Fleurs et maisons
花と家

1948 油彩・カンヴァス 46.0×33.7cm
片田舎の美しい小村の苗木職人であったボーシャンは、植物のことを熟知し、人と話すように、よく植物にも話しかけていたという。花を描く時は、まるで根付けをするかのように画面の下から描き始め、心を込めて仕上げていく。彼の植物への愛情がうかがえる。また、荒山の岩肌も建物も、若草と同じ柔らかさで描かれ、彼の作品にはやさしさと温もりが画面いっぱいに満ちあふれている。