コレクション

MuseumCollection
Grandma Moses

グランマ・モーゼス

1860-1961

ニューヨーク州グリニッジに生まれる。

本名アンナ・メアリー・ロバートソン・モーゼス。12歳から農場で働き、1887年同じく農場で働いていたトーマス・サーモンと結婚。2人は農業にいそしんで5人の子供を育てる。1927年、夫トーマスが他界し、子供達も成長して余暇ができた67歳のモーゼスは、趣味で刺繍絵をつくり始める。慢性のリューマチが悪化し、手が不自由になったことから、刺繍針を絵筆に持ち変えて、75歳より本格的に絵を描き始める。

人気画家・モーゼスの誕生の瞬間であったが、当初彼女は自分の描いた絵を自家製のジャムなどといっしょに田舎に立つ市に並べて出していた。

1936年、アマチュアコレクター、コルダーが彼女の才能を見抜き、全作品を買い取る。1940年には80歳にして初めての個展が開かれ、1941年にはニューヨーク州賞を受賞、各地で展覧会が開かれる。1960年、100歳を迎えたモーゼスを祝福し、ニューヨーク市は彼女の誕生日を「グランマ・モーゼスの日」と定める。101歳で長い生涯を閉じるその直前まで、モーゼスは絵を描き続けた。

75歳から画家の人生をスタートしたモーゼスの生涯は、「さあ、何かを始めてごらん、誰にだって、いくつになったって、どこにいたってチャンスはあるのだから」と語りかけている。

Spring Flowers

春の花々

画像 Spring Flowers
1961 油彩・板 40.6×61.0cm ©️ Grandma Moses Properties Co., New York.

グランマ・モーゼスの愛称で親しまれた彼女の作品は、明るく、平穏で、人々と自然が美しく調和している。本作は、彼女の101歳の誕生日の数ヶ月前の作品。絵を描き始めた頃に比べ、色彩はより鮮やかに、また人物は生き生きと描かれている。一方、どこか幻想的で輝きを帯びている印象を受ける。

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